津久田人形

2023年10月の記事一覧

津久田人形クラブ檜舞台で堂々公演!

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 津久田小人形クラブのメンバーが、津久田人形芝居櫻座生誕300年祭の檜舞台で人形芝居の公演を行い、好評を博しました。
 津久田小学校では、3年生の総合的な学習の時間の1トピックとして、津久田人形にスポットを当てています。その一環で、櫻座の皆様によって「絵本太功記十段目 尼ヶ崎の段」の公演をしていただいています。さらに公演で使用した人形の操作を体験させていただいています。まさに手取り足取りの指導で、3年生はとても楽しみにその日を待っています。
 津久田人形芝居が生誕300年を迎えるにあたって、昨年度からクラブ活動の一つとして津久田小人彩クラブが始まりました。今年度は4年生から6年生の9名が参加し、「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」を熱心に練習しています。目標は、晴れの舞台である津久田人形芝居櫻座生誕300年祭で成果を問うことです。もちろん、月1回の練習だけでは足りません。そこで、夏休みから毎月特別練習を行ってきました。文字通りの特訓となりました。子どもたちは、「三人遣いの人形の操作は難しいけど、"がんばったね"と言われてやる気が出たよ」という声が聞かれました。
 当日は、絶好の公演日和となりました。会場も用意された椅子がほぼ埋まっています。さらに、今回は、本物の義太夫と三味線が花を添えます。大勢の人を見た子どもたちは、「緊張するね」「でも、がんばろうよ」と緊張気味です。
 演目「傾城阿波の鳴門」は、歴史的な素材を扱う「時代物」の作品で、阿波徳島藩のお家騒動を描いています。全体が10段で構成されていて、「順礼歌の段」は8段目です。
 「順礼歌の段」は、長年離れて暮らした母子が再開する場面を描いています。おつる(娘)から「自分を祖母に預けてどこにいるか分からない両親を探して西国巡礼している」と聞いたお弓(母)は、両親の名を尋ねます。「ととさんの…」という有名なせりふは、その問いに答えたものです。おつるは「同じ年頃の子どもが母親に、髪を結ってもらったり、抱かれて寝たりするのがうらやましい」「一人旅なので宿に泊めてもらえずに野山で寝たり、軒先で寝てたたかれたりすることもある。親がいればこんなつらい目に遭わないだろう」と語り、両親に会いたいと切々と訴えます。お弓は思わず名乗ろうとするのですが、主君のためとはいえ、盗賊として追っ手から逃れる身です。おつるを巻き込みたくないと、悩みに悩んだ末、国元へ帰るように諭しておつるを帰し、泣き崩れます。おつるの両親を恋う気持ち、お弓の我が子を思う愛情と葛藤が、胸を打ちます。
 子どもたちはぎこちない動きだったものの、時間が経つにつれてこなれてきました。その自然な動きに、会場の皆様の目も釘付けになっていました。途中で、かなりの量のおひねりが舞いました。公演は、皆様の温かい拍手を浴びて終了。顔を出した子どもたちに、ケータイやカメラのシャッター音が嵐のように降りかかりました。一人ひとりの顔を見ると、大きな仕事をやり遂げた満足感に溢れていました。
 なお、この日は全員が出演できるように、午前の最後、午後の最初の2回講演を行われました。