津久田人形

堪能!津久田人形学習会

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 3年生の総合的な学習では、地域の素晴らしいモノ・コトを学習します。その一貫として、地域めぐりでは人形浄瑠璃を演じる舞台や人形を格納する倉庫を見学させていただきました。
 この日は、昼休みに津久田人形クラブの凱旋公演を行いました。その後は、一年ぶりの津久田人形桜座による伝統芸能教室。他の学年は退場し、3年生のみ残りました。会場となった体育館は舞台が設置され、のぼりや垂れ幕が飾られました。輝かしい津久田人形芝居櫻座生誕300年祭が昨日のことのようです。見る人が見れば、まさに往事が偲ばれる何とも言えない雰囲気が醸し出されていました。
 開演前に、津久田人形伝承委員長の狩野様にご挨拶と津久田人形について説明していただきました。津久田人形芝居は、江戸時代中期(享保8年頃)に興ったとされる三人遣い浄瑠璃系の人形芝居です。伊勢講のついでに大阪で芝居を見てきた当時の人々が始めたものだそうです。なんという熱意でしょう。現在、津久田桜森八幡宮境内の人形劇舞台と人形多数が県の文化財指定になっています。
 いよいよ開演を告げる拍子木が鳴らされました。本日の演目は、「絵本太功記 十段目 尼ヶ崎の段」です。これは、尼ヶ崎に住んでいる老母皐月のもとへ光秀(「麒麟がくる」の明智光秀)の妻操が、嫁初菊を伴って見舞いに来ます。光秀の一子十次郎も出陣の許しをもらうために訪れ、初菊と祝言して出陣します。一方、武智方の勇将四天王但馬守に追われた久吉も、僧侶の身なりとなって宿を求めてやってきます。光秀はそのあとを追ってやって来て久吉(羽柴秀吉)を討とうとしたところ、誤って母を刺してしまいます。久吉と光秀は勝負を天王山で決しようと別れていきます。
 人形芝居が始まると、会場は水を打ったように静まりかえました。子どもたちは、はじめて見る人形芝居に集中しています。見る前に示唆していただいた光秀が誤って刺してしまう人が分かったときには、「やっぱり!」という声が聞かれました。
 その後、三味線・太夫の演奏を聴き、津久田人形の操作体験をさせていただきました。人形の着物をめくると、なんとシンプルすぎる骨組みが現れました。「え~っ、骨だけだよ」「片手で持てるように軽くなっているんだね」「女性に足がない。でも、女の子にはあるね」「目や口が動く人形もあるよ」という声が聞かれます。三人組で首と右手、左手、足担当に分かれていろいろな動きを試みました。「思ったより重いねぇ」「着物が重いんじゃないの」「鎧を着てるとは重いよ」「3人で動かすのは難しいね」などという声が聞かれました。
 桜座の皆様も、熱意溢れる全力サポートです。「うわぁ、生きてるみたいだね」「しっかりと合っているよ」と褒められるグループもありました。
 今回のように、子どもたちが文化財に直接触れることも希ではないでしょうか 今回は、地域に古くから伝わる伝統芸能に触れることができた貴重な機会となりました。3年生の中から、この誇るべき文化を受け継いでいく子が出ることを期待しています。