津久田人形

津久田人形クラブ、アンコール公演

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 津久田人形芝居が生誕300年を迎えるにあたって、昨年度からクラブ活動の一つとして津久田小人彩クラブが始まりました。今年度は4年生から6年生の9名が参加し、「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」を熱心に練習しています。目標は、晴れの舞台である津久田人形芝居櫻座生誕300年祭で成果を問うことです。当日は、インフルエンザの流行で参加できない子もいました。そこで、3年生の津久田人形学習会に合わせて、再びあの興奮を味わわせてもらうことになりました。昼休みに、体育館でアンコール公演を行うことになりました。体育館に集まった子どもたちは、学年ごとに床に座り、開演を待ちました。
 演目「傾城阿波の鳴門」は、歴史的な素材を扱う「時代物」の作品で、阿波徳島藩のお家騒動を描いています。全体が10段で構成されていて、「順礼歌の段」は8段目です。
 「順礼歌の段」は、長年離れて暮らした母子が再開する場面を描いています。おつる(娘)から「自分を祖母に預けてどこにいるか分からない両親を探して西国巡礼している」と聞いたお弓(母)は、両親の名を尋ねます。「ととさんの…」という有名なせりふは、その問いに答えたものです。おつるは「同じ年頃の子どもが母親に、髪を結ってもらったり、抱かれて寝たりするのがうらやましい」「一人旅なので宿に泊めてもらえずに野山で寝たり、軒先で寝てたたかれたりすることもある。親がいればこんなつらい目に遭わないだろう」と語り、両親に会いたいと切々と訴えます。お弓は思わず名乗ろうとするのですが、主君のためとはいえ、盗賊として追っ手から逃れる身です。おつるを巻き込みたくないと、悩みに悩んだ末、国元へ帰るように諭しておつるを帰し、泣き崩れます。おつるの両親を恋う気持ち、お弓の我が子を思う愛情と葛藤が、胸を打ちます。
 公演が始まると、会場はシーンと水を打った雰囲気になりました。子どもたちはぎこちない動きだったものの、時間が経つにつれてこなれてきました。さすが、先日の公演よりも、スムーズな動きが感じられました。級友の動きを見つめる4年生、人形の動きと音とをシンクロさせようとする6年生。1・2年生は途中で体がクネクネ。ちょっと難しすぎたようです。
 好評のうちに終えた公演。椅子に腰掛けたメンバーの顔には、大きな仕事をやり遂げた満足感が溢れていました。