渋川市立渋川北小学校 ことばの教室
 

群特研について

渋川北小学校

学校の先生方へ

ことばで心配なことってどんなこと?
 

「ことば」ときいて、どのようなことを思い浮かべますか?

「ひらがな」や「漢字」のような「ことば(文字)」ですか?
それとも、日本語や英語のような「ことば(発語・発話)」ですか?
でも、実は、このふたつはどちらも「ことば」です。


「ことば」というのは、もともと自分の考えや気持ちを他の人に伝えたり、他の人の考えや気持ちを知るためのコミュニケーションの道具です。したがって、話し手の考えや気持ちがすんなり相手に伝わりさえすれば、話しことばという道具のはたらきとしては十分です。その場合、言いたいことや伝えたいことの内容がしっかりと伝わって、道具そのものは聞き手にとって何ら気にならないというのが普通の状態です。しかし、聞き手にとって、道具である「ことば」そのものや、その使い方、つまり話し方そのものが気になるような状態であれば心配があるということになります。「ことばのつまづき」はこのような話しことばのはたらきのトラブルをさします。
 ただ、この「ことばのつまずき」は、子どもの身体の部分やそのはたらきの不充分さだけだと思いこんでいる人も多くみられます。しかし、それだけではありません。子どもの「つまずいてしまった」状態に、周囲の大人や友だち等の考えや態度が加わることにより、その「つまずき」が大きくなるか小さくなるかをも決定するのです。
 

「ことばの心配」

「ことばの心配」には次のようなものが考えられます。
自分の担任している学級に次のような子どもさんはいませんか?
  1. ことばがはっきりしない
  2. ことばがつっかえる
  3. きくはたらきが弱くて、ことばがはっきりしない
  4. ことばが少ない、うまくつながらない
  5. 話しかけてもこたえてくれない、場にそぐわない

これらのことが当てはまる子どもさんには、次のようなことが考えられます。
それぞれの項目にすすんでみてください!

 

①ことばがはっきりしない

・構音障害
 小さな子は、ラッパのことを「ダッパ」といったり、ライオン が「ダイオン」、テレビが「ティエビ」になったり、「魚」を「タカナ」、「先生」を「テンテー」と発音したりします。しかし、大きくなっても、舌の動かし方をまちがえておぼえてしまったり、舌の動きがゆっくりだったり、いつまでも子どもっぽい話し方がぬけなかったりするようであれば、やはり不便です。
・口唇口蓋裂
 赤ちゃんは、お母さんのおなかの中でいろいろな危険とたたかったり、くぐりぬけたりして産まれてくるのですが、唇や上あごの口蓋のところがつながらないまま割れて産まれてくる赤ちゃんがいます。くちびるがつながっていないと口唇裂、上あごがつながっていないと口蓋裂とよんでいます。口蓋裂の場合、ことばがはっきりしないことがあります。400人か500人に1人の割合で産まれるといわれています。
 

②ことばがつっかえる

・吃音
 人と話そうとするとき、なかなかことばが出てこないことがあります。こういう状態を「吃音」とか「どもり」といいます。人によってあらわれかたはいろいろで、たとえば次のような場合があります。
 ・ことばのはじめの音や、ことばをくりかえす。
  「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくがね」「あの、あの、あの、あのね」
 ・出だしが出にくい
  「……………………あのね」
 ・ある音をひきのばす
  「ぼ-----くがね」
 ・途中でつまる
  「ぼく、がっ、…………こうに行くよ」
 このように、ことばがつっかえるのは、声を出すときに使う筋肉、横隔膜、腹筋がなんらかの緊張や興奮でうまく動かなくなるからといわれていますが、原因は不明です。
 

③きくはたらきが弱くて、ことばがはっきりしない

・聴覚障害
 難聴といって、きこえが弱いけど、大きな音ならきこえる子どもたちがいます。この子たちは、まわりの人がどんなアクセントで、どんなふうに息をはいたり、息つぎをしたりしてしゃべっているのかがわかりませんから、話しことばを身につけることができにくくなります。そのため、補聴器を使って音を大きくしたり、ききやすくして、話しことばをおぼえていきます。
 

④ことばが少ない、うまくつながらない

・ことばの発達の遅れ、知的な遅れ
 子どもの身体が大きくなるのがみんなそれぞれ違うように、ことばの数や使い方も人それぞれ違います。例えば、ことばを話し始めたのが遅い、ことばが増えない、ことばがつながらない、決まったことばしか言わない、テニヲハが使えない等です。
 

⑤話しかけてもこたえてくれない、場にそぐわない

・PDD(広汎性発達障害)、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)
 ことばはまず耳から音として入ってきて、大脳皮質の「きく」という専門の場所で分析してはじめて、理解しますが、ここになんらかの障害がある子どもたちは、ことばがことばではなく、単なる音や雑音としかきこえません。例えば、広汎性発達障害(自閉症)といわれる子どもたちで、ことばの発達が遅れている子がいます。何をいっても知らんふりで答えてくれない子、かってにしゃべる子、いったことをおうむ返しにくりかえす子もいます。この他にも、ことばだけを特に苦手とする子、注意する力が弱く、落ち着きのない子などさまざまな子がいます。
 
 このように「ことばのつまずき」はいろいろなものがありますが、

こどもたちはみんな「ぼくのこと・私のことをわかってほしい!」と思っています。

「ことば」には、相手にあることを伝えたい、と思う気持ち(コミュニケーション意欲)も含まれているのです。「ことばのつまずき」があるために、

とてもいいにくそうに話していても、耳をすまし、心をすまし、わかろうとする気持ちでしっかりきくようにしましょう。

 そのようにしてわかりあえたとき、(話し手である)子どもたちはもちろん、聞き手である私たちも、今まで感じたことのなかったよろこびを感じることでしょう。
 
以上は、群馬県ことばを育てる親の会『ことばときこえのQ&A「ぽ・と・こ」』より本教室担当者の文を引用
 
【参考文献】
・茂木俊彦監修 稲沢潤子文 中川信子編 大月書店 障害を知る本4 ことばの不自由な子どもたち
・跡部敏之・行木富子著 全国言語障害児をもつ親の会 ⑳ことばの相談そして指導
・中川信子著 ぶどう社 ことばをはぐくむ
・中川信子著 ぶどう社 検診とことばの相談
 

それぞれの心配の理解と配慮について

 担任の先生方に、それぞれの心配についての理解の仕方と配慮していただきたいことを資料にまとめてありますので、ぜひ参考にされて下さい。
 必要があれば印刷をして学校の先生方にお配りして下さって構いません。